ぼくはいまゴッホの作品のデータを新たに作り直している。
といっても、こんな風に、
窓際の畳の上などに画集を広げて複写するといったやり方である。
肝心なことは、レンズがいいこと、焦点が合っていて、手ブレがないことだ。
焦点は自動だから、問題ないが、
三脚を使わずに腕でカメラを固定するのはかなりの熟練が必要だ。
手ブレをしたのでは、どんな名機でもうまく撮れるはずはない。
・・・カメラの性能は、まずまず、並みの上である。
朝日や夕日は不向きであるし、
樹木の緑が強く反射するところもまずい。
また、画面の表面に当たった反射光が強かったりすれば、
それも写ってしまうし、光沢のある本などは厄介だ。
人間の目には同じ明るさに感じられても、
機械は微妙な違いを忠実に拾う。
ルクス・メーターで計測すれば、まず、窓際は不適切である。
だから、このように原始的なやり方で、本やものを置いて明るさを調整する。
今回は、クッションを置いて、図版の面が均一な明るさを作るように工夫をした。
さて、ここで、風太の登場である。
カメラを取りに自分の部屋に戻った数秒の間に、
どこから嗅ぎつけてきたのやら、
ちゃっかり、風太がその上に収まって窓外の景色を眺めているではないか。
人が何かしていれば、必ずやってきて、
人間の出す物音が聞こえる範囲で、横たわったり座ったりしている。
蝉しぐれ おやじカメラで ゴッホ撮り (風太)







